子どものころから料理をつくるのが好きでした。
好きな味を自分の手でつくる喜び、
おいしい
という自分の中の、取り出してみることのできない感覚が
誰かと同じとわかったときの、こみあげるような嬉しさ。
いつも一回きりで、食べ終わったらなくなってしまうことも
わたしにとっては気持ちがよかった。
それでも、記憶にのこる時間には
かならずそこに おいしい、があったような気がします。

自分の手でおいしいものが作れることが
ひとの人生をいろいろな意味で支えるのではないか、
と思って料理の仕事をするうちに
料理教室をはじめ、びんに詰めた調味料を作るようになり
もっと伝えられたら、
そう思って、この場所で食堂をはじめました。

ごはんがおいしいと、うれしい。
それが自分の手でつくれたら、もっとうれしい。

わたしたちの作るものが
いろんな家庭の食卓や、誰かの人生を
より明るく照らしてくれるといいな、と願って。

さぁ、今日はなにを作りましょうか。

あたらしい日常料理 ふじわら
藤原 奈緒